賞味期限


 
月に一度くらい
母が暮らす公団を訪れている
 
親父が亡くなってから
四年が経った
喧嘩が絶えなかった筈なのに
今では一人暮らしが淋しいと言う
 
おかげさまで
体は丈夫で足腰も強く
一人暮らしは問題なくて
いつ訪ねても
部屋は綺麗に整っている
 
一方で
アタマの方は
年相応に衰えてきていて
とりわけ短期記憶がちょっと厳しい
 
それは本人も自覚していて
自分が他人様に迷惑を掛けていないかを
いつも気にしながら暮らしている
 
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いままで折々に
おひとりさま向けの食材を送っていた
 
一度で食べ切れないような食材は嫌だろうから
食べきりサイズで
毎回チンすれば良いようなもの
海のものや
山のものが
少しづつ楽しめるようなものを
送っていた
 
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先日
公団を訪ねたとき
たまたま
冷蔵庫をあけると
賞味期限の切れた食品が
ストックされていることに気づいた
 
特に調味料なんかは
もう何年も前に
賞味期限が切れたものを
使っていた
 
おなかでもこわされたら
大変だから
 
これさ
ちょっとヤバいから
捨てておくよ
と言って処分してきた
 
僕が送った食材も
カチカチに凍ったまま
とっくに賞味期限が切れていたので
一緒に処分してきた
 
あら
気がつかなかったわ
と母も笑っていた
 
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その晩
母から電話があった
 
あれ
ほんとに捨てちゃって
いいのかしら・・
 
もったいなくて
大事にとっておいたんだけど
ごめんね・・
 
と母は泣いていた
  
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いいの
いいの
また送るから
カラダが一番だし 
と応えたけど
 
賞味期限とは
そのひとによって様々なんですね
 
少し
反省いたしました
 

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